GENIUS LIFE (ジーニアス・ライフ)-万全の体調で生き抜く力- (署:マックス・ルガヴェア)の備忘録です。この本で、認知症予防の最新情報がわかります。
かねがねいろんなところで得てきた予防医学の現時点でのイチ押し「総まとめ本」です。食べもの・運動・睡眠はもちろん、日常的に使う調理器具、化粧品、洗剤、プラスチック類の害なども網羅しています(2021年)。
読み終わって忘れることのないよう、ポイントを書いておこうと思います。
筆者のマックス・ルガヴェア氏のお母さまは58歳までは全く健康だった(子どもは3人いた)。適正な体重・お酒は飲まない。タバコも吸ったことがない。野菜やフルーツをたくさん食べ、穀物食品も低脂肪で無塩の「心臓にいいもの」ばかり選んでいた。にもかかわらず、58歳でアルツハイマー病を発症しあっという間にひとりでは何もできなくなり、その後膵臓がんを患い66歳の若さでこの世を去った。
そのことで筆者は健康、特に脳について世界中のトップレベルの研究機関で働く専門家から学び、食生活と脳の重要な関係に気付いたという。
がんは1センチくらいで見つかるまでに10年ほどかかるけれど、認知症やパーキンソン病も症状が現れる数十年も前に既に始まっているらしい。私たちも今すぐ改善生活をスタートすれば少しでも間に合うか。(既に遅いかも。。笑。ま、とにかく。)
脳のために、エクササイズは必須だ
最新の研究ではメタボのお腹は脳の老化も早めるということがわかっている。つまり強い心臓を作る方法が脳も健康にするらしい。また、少し前まで脳に薬は届かないと言われていたけれど、今は脳と体は無数の方法でつながっていることがわかっている。
私は運動と脳の関係に最も興味があったので、まずその章から読んでみた。
身体は動くように設計されている。つまり動かないと病気になってしまう。
動いていないと死んでしまうのはマグロだけではなくヒトも同じ。日常生活の中の身体活動(散歩、掃除、買い物、こまめに動く、歌う、立ってパソコン仕事等)をいかに増やすかが大事だという。
スウェーデンの調査では低強度の活動が多いほど寿命が長かったそう。
長時間座りっぱなしの生活は、脳から血液が流れ出し認知機能を損なう恐れがある。30分ごとに2分歩くなどの単純な動きであっても血流が良くなり、血液と栄養を脳に押し戻してくれる。週にたった3度のウォーキングでも認知機能が改善したという。
学術誌「神経学(Neurology)」に掲載された論文によると、一日の活動レベルが高い方が、脳のプラークの蓄積などが少なかった。日々の活動は認知症の撃退に役立つらしい。
まとめると、エクササイズは脳にエネルギー源・栄養素・神経保護化学物質がたくさん運び込まれる。血管の保護にも役立つ。高血圧も認知症リスクを高める。
抗うつ作用を発揮するセロトニンは脳内で、トリプトファン(必須アミノ酸)から作られる。トリプトファンはトランスポーターによって血液脳関門を通過する。運動時は優先的にトリプトファンが運ばれて脳内を満たすため運動すると爽快な気分になるとのこと。さらに夜が近づくとセロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンに変わるためよく眠れるらしい。
学術誌「抑うつと不安(Depression and Anxiety)」に発表された最近の論文では、詳細は省くがたった1ヶ月の有酸素運動で抗うつ作用が認められたという。ウエイトトレーニングも気分を向上させる効果があるとのこと。エクササイズには脳の容積を増やす効果もある。(脳由来神経栄養因子:BDNFが運動で増加。)
加齢が認知症等の最大のリスク因子であるが、筋力の低下を防げば予防できる可能性もあるかも。30歳を過ぎると、筋肉量は10年ごとに3~5%ずつ失われていく。ウエイトトレーニングを始めるのに遅すぎることはないのでやってみるべきですね。(タキミカさんを見よ)
高強度のエクササイズでは疲労の回復が重要だ。新しい筋肉組織の成長はエクササイズ後約48時間かかるので、筋肉痛になった時はその後2日休んだ方が良い。
睡眠中に成長ホルモンやテストステロンが分泌される。成長ホルモンは脳機能も高めてくれるので、7時間以上は寝た方が良い。
成長ホルモンの分泌を高める方法の一つは断食や空腹だ。
女性は14~16時間、男性は16~18時間なにも食べないと、成長ホルモンの分泌が増加するとのこと。
断食や空腹とオートファジー関連の記載もあったので、②ページ目に書きます。やはり効果ありです。
乳酸についても新しいことがわかっている。筋肉で作られた乳酸が循環して、脳などの器官のエネルギー源になっているとのこと。乳酸はケトン体と同じトランスポーターに乗って、脳に取り込まれる。
やはり運動はしない訳にはいきません。
・・・GENIUS LIFE (ジーニアス・ライフ)-万全の体調で生き抜く力- を読んだ。認知症も予防したい②へ続く。