瀬戸内寂聴さんが99歳で亡くなりました。今年の2月には「私は今年、死ぬと思う。」と言っていたのを何かで読んだので、その通りになってしまいました。
少し前に、「ぴんぽんぱん ふたり話」(著:瀬戸内寂聴・美輪明宏)を読みました。
詳しくは省きますが、何者かに呼ばれるように京都のお寺に置いていた石塔(?)をどうしても東北のお寺に持っていきたくなって持っていった話など、なかなかに不思議なお話が満載でした。
が、それよりも三島由紀夫(1925-1970)と面識のあった 瀬戸内寂聴さんと美輪明宏さんが三島由紀夫の人となりの思い出を語っていた稀有な本だと思いました。三島由紀夫好きの方は是非。
また、映画「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」(原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)を観ました。元は舞台として演じられ、映画になったらしい。
太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」がベースになっている。私は原作は読んでいないのですがコメディー要素が強いらしい。太宰治は玉川上水に入水して自死してしまったが本当はやはり生きたい気持ちがあって、明るいストーリーをパラレルワールドを書いたのかも、なんて思いました。いろいろ笑い飛ばして生きれば良かったとは思いますができなかったのかも。
小池栄子さんの絶世の美女役がぴったりで美しく、いろいろとどんでん返しもあり面白かった。
戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。闇稼業で稼ぐ文芸誌編集長の田島周二(大泉洋)は、なぜか女にはめっぽうモテる。気づけば何人もの愛人を抱えて困っていた。まっとうに生きようと、愛人たちと別れる決心をしたものの、別れを切り出すのは至難の業。一計を案じた田島は、金にがめつく大食いの担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)に「嘘の妻を演じてくれ」と頼み込む。キヌ子は泥だらけの顔を洗えば誰もが振り返る女だったのだ!男は女と別れるため、女は金のため―。こうして、水と油のような二人による“嘘夫婦”の企みが始まった。
©2019「グッドバイ」フィルムパートナーズ
NHK土曜ドラマ「昭和元禄落語心中」・・・原作は雲田はるこ原作の漫画(累計200万部を突破)で、噺家の世界の3世代に渡るお話。
踊りの家元に生まれた主人公 (岡田将生)は、子どもの時に階段から落ちて足を悪くして踊れなくなってしまった。早くに親も亡くなったため、噺家の師匠のところに弟子入りすることとなった。その時偶然同じタイミングで弟子入りしたのが、やはり戦争で親を亡くし孤児となり、後に天才落語家となる助六(山崎育三郎)。その二人の固い友情から、噺の世界の厳しさ・面白さ、みよ吉と助六の事故死の謎など、親子や男女の情や業の味わい深いお話となっています。
主人公の
「・・あたしはまた捨てられました。」
のセリフが何度か出てきて心に刺さります。
岡田将生演じる主人公の佇まい(たたずまい)が美しい。 誰にも真似できない「自分の噺(はなし)」を見つけていく噺家とは芸術家なんですね。大政絢が演じる芸者のみよ吉とは訳あって添うことができず、以降誰とも添わず落語と心中するかのよう。
切れのいい江戸弁がかっこいい。
岡田将生、山崎育三郎、大政絢、篠井英介、平田満さんなどなど。
NHKオンデマンドで観られます。
漫画の原作も読まないとだし、寄席にも行きたくなったり。笑
「落語」これぞニッポンの文化。
またこれは別のところで知ったのですが、年末といえばクラシックは「第九」だけど、落語は「芝浜」なんですね。ふむふむ。
YouTubeで立川談志の「芝浜」を観ました。なるほど。いろんな名人の動画も残っています。
「芝浜」は、泣かせるんですね~~。
また、中田敦彦さんのYouTube大学「落語」シリーズも参考になります。あっちゃんいつもありがとう。
中田敦彦さんのYouTube大学 「【落語の歴史①】日本人なら知っておきたい伝統芸能」での教科書は下記。
なるほど。落語は庶民の文化なんですね。
元々、能・狂言・文楽・講談 は、武家のためのもの。歌舞伎・落語 は庶民のためのものだったんだ。
「ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語」(著:立川談慶)
立川談志師匠によると、「落語は人間の業の肯定である。」
それに対し「講談は人間の業の克服」らしいです。