「運動脳-BRAIN」(著:アンデシュ・ハンセン)を読んだ。成績向上・うつ病予防・認知症予防に運動、が正解。

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運動脳-BRAIN(新版:一流の頭脳)」精神科医アンデシュ・ハンセンの著作(2022年)の備忘録。今年イチ押しの本。超おすすめ。

脳の健康・機能向上にもやはり一番の薬は「運動」だった。

また、子どもも運動する子の方が成績が上がる実験結果もあった。子どもの学校を見ていても勉強ができる子はスポーツもできることが多かった。やっぱりだ。

数々の研究結果が示されていた。

回し車を多くこいだマウスは脳の老化が遅い。

運動脳-BRAIN

脳の「海馬」はストレス反応にブレーキをかける大事な場所。ストレスを受けると体内にコルチゾールが増える。それが何か月も何年も続くと、脳の海馬が委縮してしまうという。蝕まれて平均より小さくなるという。心的外傷後ストレス障害(PTSD)・うつ病の患者にはその萎縮が確認されるという(海馬・wikipediaより)。怖い。

ランニングやサイクリングで心拍数が上がる運動を週3~5日するだけ(15分程度でいいらしい。3日の場合は30分程度)で、コルチゾールの分泌量が減っていくという。なんと、定期的な運動を続けていると、ストレスに強くなれるのだ。

確かに、何か憂鬱なことがあっても、出かけて運動するとスカッと前向きな気持ちになっているもんなぁ。大したことないという考えに変わっている。

額のすぐ後ろにある「前頭葉」もまたストレス反応を抑制している。前頭葉の前の部分「前頭前皮質」は高次認知機能をつかさどっている。例えば、衝動を抑えたり、抽象的思考や分析的思考を行ったりする高尚な場所である。
前頭葉も、ストレスによって委縮するという。実際に極度の心配性の人は前頭葉の各部位が小さいという。ストレスがこれほど恐ろしいとは!

運動すると、脳の血流が増え、前頭葉に新しい血管が作られ、血液や酸素の供給量が増え、それにより老廃物がしっかり取り除かれるとのこと。

人にとって、運動は大切なのだ。


ストレスを生み出す偏桃体は17歳でほぼ完成するが、前頭葉や前頭葉前皮質などストレスを抑える脳の部位は実は25歳くらいになるまで完成しないそう。チリで思春期の子ども達に10週の運動プログラムをさせた実験では、子ども達が健康になり、自信や幸福感も増したことが明らかになった。

フィンランドの調査。週2回以上運動している人は、ストレスや不安とほぼ無縁で、攻撃的な面が少なく、シニカルな態度も見られなかったとのこと。

また、運動には抗うつ剤と同じ効果がある。うつ病の女性が運動でうつ病を克服した実験についても書かれていた。


毎日、20~30分歩くだけで、うつ病を予防できて気持ちが晴れやかになる。

「神経伝達物質」の、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは私たちの感情を左右するだけでなく、人格の形成において重要な役割を果たし、集中力や意欲、意思決定などの認知能力にとっても欠かせない物質だ。運動するとこれらを増やすことができるという。

「BDNF(脳由来神経栄養因子)」は、大脳皮質や海馬で合成されるタンパク質で、脳細胞を守る働きをする奇跡の物質だという。BDNFは我々の人格形成にも影響を及ぼす。実際に神経症の患者はBDNFの値が低い傾向がある。
時々有酸素運動をするだけで、BDNFを増やせるという。有酸素運動を30分するだけで増えたBDNFは2週間経ってからやっと下がり始めるのだそう。


また、運動を定期的に行った人は、幸福感が増す上、わずかだが性格も変わる。フィンランドや日本、南アフリカ、オランダでの実験では、より社交的で神経質な面が少ないことがわかった。

また、気が散りやすい人(集中力がない、ADHD傾向がある子ども等も)が、5分ほど身体を活発に動かすだけで集中力が改善され、ADHDの症状も緩和されるという。脳がドーパミンを増やすと考えられている(これはADHDの薬と同じだそう)。
ADHDの遺伝子は遊牧民の「探検家の遺伝子」なので全く悪いということでもない。別の場所では好ましい特性になることもある。抑えれば良いというものでもない。

・また、運動は海馬の委縮のみならず、遺伝子の老化まで食い止めるという。

・暗記力を最大限に上げたいのであれば、トレッドミルの上で歩きながら暗記すると良いらしい。(ただし走ったり運動し過ぎはだめ。第一危ない。)

・毎日、死ぬ時まで1,400個の細胞が成人の脳の海馬で生まれている。この新生を加速させる方法こそが「運動」だ。
身体を活発に動かせば、脳細胞の新生は2倍に増えることがわかっている。

・運動や低カロリーの食事、プレーンチョコレートなどに含まれるフラボノイド等は、脳細胞の新生を増やす。だが、ストレス・睡眠不足・過度の飲酒・高脂肪の食事の摂りすぎによって減少してしまう。


アメリカやスウェーデンの研究で、体力的にすぐれている子どもは学業においてもすぐれていることがわかった。
・体重が重いほど、試験の得点も低かった。
・9歳児が20分運動すると、1回の活動で読解力が格段にあがった。
・10代の子ども達が12分ジョギングしただけで、「読解力」と「視覚的注意力」が向上した。
・たった4分でも、10歳の子どもの集中力と注意力が改善された。
・毎日たくさん歩いた子どもは、あまり歩かなかった子どもに比べてストレスを感じにくく、精神状態も安定していた。


運動は脳の老化にも歯止めをかけることができる。
・運動を習慣にしている人の海馬は委縮せずむしろ成長する。
・よく動いてカロリーをきちんと消費する人は、加齢による前頭葉の委縮の進行が遅くなる。

20年以上にわたった調査(2万人の70~80歳の女性を対象)では、定期的に運動している女性の方が座っている時間が長い女性よりも脳が機能的に3年分若かった。
・毎日(週5日でよい)、意識的に歩くと認知症の発症率を40%減らせる。
・「血圧」「血糖値」「体内の炎症」も改善する。

「連想記憶」は筋力トレーニングで高まるという。

最高の健康法はこれ!→ウォーキングか軽いジョギングを週に150分、または30分ずつ週5回。20分のランニングを週3回でも良い。


追記:最近お友達から聞いた、実際に近畿地方に住む人たちの話。歳をとって仕事をリタイアし喫茶店で人のうわさ話ばかりしている人達はボケてしまう人が多い。リタイア後に畑仕事をしているとボケることがないという。何と示唆に富んだ話だろうか。ありがとう。
この話をいつまでも覚えておこう。


※前に、運動後うっかりプロテインを摂ってしまったことがあった。血液検査で腎臓の値が悪くなっていたので即やめた。。。ご注意を!

カルシウムサプリはたまに交互に。↓

かわいいごまちゃん
猫は夜行性。昼間は寝ているが、夜に走ったりちゃんと運動している。