「日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-」(著:大森健史)を読んだ

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2022年10月30日・第1冊発行。備忘録。

著者は日本から海外へ移住する人たちをサポートする会社を経営している。これまでに2万人を超える富裕層の方々から相談を受けたそう。

最近、海外移住を希望する人の層が変わってきたという。
昔は、長年働いてリタイアし海外でのんびり暮らしたい、といった人達が多かったが、今はYouTuberや暗号資産長者、自宅投資家、ベンチャー経営者、情報商材ビジネスなどで比較的短期間に富裕層になった人たちが増えてきたらしい。若い人たちも増えてきたそう。

やはりインターネットやスマホの普及で、誰もがビジネスや投資に取り組みやすくなったこともあるらしい。

こうした時代の転換点では新しいモノに敏感な人たちこそその能力を発揮できると言えるでしょう。
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ただ、彼らは凡人にはとうてい真似できないすさまじい実力を持っているか、たぐいまれな幸運を引き寄せたことで資産を形成している。なかなか模倣できることではないのも事実です。

日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-

例えば出始めの暗号資産にまとまったお金を入れるなど、怖くてとても凡人にはできることではない。
また、都心の高額マンションを、夫婦でペアローンを組んで値上がりしたら売る、を繰り返し資産を増やした人もいるとのこと。。先のことはわからないので普通はちょっと怖いが。。

憶り人どころか、破産する人たちもその何倍もいただろう。
と、思う私のような小心者には向いていないんだなぁ、たぶん。笑

それぞれが自分で調べたり、考えたり、一生懸命人脈をつくったりと、自分で選択して行動し、失敗したり成功したりしているのが、シン富裕層なのです。
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ただ、実際に成功し始めると、その資産を目当てに集まってくる悪い人たちがいて、、詐欺に遭ったという話も、シン富裕層からは非常によく聞きます。
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「これをやれば絶対に儲かるよ」と言ってくる人は、大体怪しい人です。

日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-

やはり難しい。


最近、ドバイに移住する人が多い理由。

ドバイは、先進国に多い「全世界所得課税」という居住者が自国を含めたどの国で得た所得も課税対象とする制度がなく、譲渡益税、法人税(2023年より変更の可能性あり)、贈与税、相続税もないからです。
また日本は暗号資産が税金面で著しく不利になっています。株式・債権・FXで得た利益は、給与収入から切り離し約20%の税率が適用される「申告分離課税」ですが、暗号資産は雑所得として給与収入と合算する「総合課税」方式のため、所得税と住民税の税率がそのまま適用されてしまうと、最大で55%の税金を払う必要があるからです。

日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-

なるほど。

以下、面白いと思ったところ

・日本人に投資嫌いが多いのは、1990年初頭からの株価暴落や不動産バブル崩壊時のトラウマが大きいからだと著者は考える。「失われた30年」は、政府や日銀の政策が悪かった側面もあるが、日本人や日本企業が世界中のいろいろなものに投資をしたもののそのほとんどが儲からずに終わってしまったため。一方の中国は中国がバブルに突入していた頃、世界も同時にバブルだった。そのため日本人とは投資マインドが違う。

・著者が見てきたシン富裕層の人々は、基本的に各自の動物的直勘を信じて行動してきた人が多い。その直観は、自分自身でものを判断する機会にどれだけさらされてきたかの「場数」によって磨かれてきた。だから決断も早い。

・シン富裕層は、一見資産家に見えない地味な服装と生活。その逆は詐欺師が多い。
「何の仕事をしているかよくわからない」「派手な身なりと、高価な買い物」「SNSに関係がよくわからない大勢のひとが写っている画像をメインにしている」この3つに該当する人は詐欺師の可能性があるので要注意だそう。笑
最近の詐欺師は、投資詐欺や暗号資産詐欺、ネットワークビジネスをしているケースが多い。
少しずつ儲けさせて、信用させて、お金を出させて、いなくなる、とか。気を付けよう。

読者のあなたにお勧めできることとすれば、ひとりでコストをかけずに自分の得意分野を使って情報商材ビジネスをするか、そうした小さいビジネスを複数同時に行うか、株式投資をリスク管理し経験を積みながら行うか、なのです。暗号資産にかけるのは、ハイリスクハイリターンだと肝に銘じておきましょう。

日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-

以下参考までに

・アメリカの投資永住権は、80万ドル(約1億900万円)を、10人以上の雇用を生むアメリカの企業に投資すれば申請できる。(2022年6月現在)
・オーストラリアは、250オーストラリアドル(約2億2,500万円)を投資すれば申請できる。住・教育環境が優れ、相続税もない。
・ニュージーランドは、住・教育環境に優れ、相続税もなく、永住権取得後の滞在義務がない。維持しやすい永住権。
・カナダは、現在投資永住権は中断中。
・ドバイは手頃だが、6~9月が酷暑。
・スペイン王国は、不動産投資でビザが申請できるゴールデンビザが人気。
・マルタ共和国は、申請費用が約14万ユーロ以上。投資が必須ではなく滞在義務もほとんどない。

ポルトガル共和国は35万ユーロ(約4,800万円)以上の不動産を買えば、ゴールデンビザと言われる5年の投資家ビザが家族全員分もらえる。人に貸し出すこともできる。平均3~4%の利回りで貸せて、居住の義務も年間7日程度。5年後以降は永住権の申請もでき、取ろうと思えばポルトガル国籍も申請可能となる。ただし、2022年からはリスボンとポルトの居住用マンションはビザの対象外となった。海外からの人気があり過ぎて不動産価格が上がってしまったため政府が政策を転換したそう。

イギリスもブレグジットによってEUから離脱し、未だ移民排斥の機運も高いため移住先としてあまり人気がない。

逆に我が国日本は、世界の富裕層から見たら移住先として「激安」でおすすめとのこと。

子どものために海外移住をする人たちは、基本的に「日本の教育はあまり良くない」という考えを、大前提として持っています。特にこれからの時代、子どもには英語+αを身につけさせて世界で自由に活躍してほしいと願い、海外の学校に進学させようとしています。
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夫が仕事のために日本から離れられない場合には、母子で親子留学という選択をする人たちも少なくありません。

日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-

家族みんなで移住する場合、皆が納得していることが大事。東南アジアの場合など、家族に不満が出てしまい帰ることになった人もいた。子どもが移住に前向きになれるよう良く話しておくことも大切。

海外移住の失敗は、家族が嫌がるケースの他、家族の誰かが病気になるか、お金がなくなるか、ビザが認められず強制的に帰国させられる、の4つのパターンがよく見られます。

日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか-

移住したから終わりではないまだまだ続く人生。いろいろ大変だ。


また、大体どれくらいお金を持っているかわかってしまうため、投資家ビザで移住したことは言わない方がいいとのこと。

シン富裕層になるには、多少なりとも無駄な時間やお金を使って、充分な経験を積みながら致命傷にならない程度のトライアンドエラーを繰り返していくしかないのだ。

日本のシン富裕層
歳をとると住み慣れたところが落ち着く。